2. Steepnessの算出
2.1 Steepnessとは
続いて、順位序列のsteepnessを算出する。
steepnessは順位序列の厳しさを表し、例えば専制的な種ほどその値は高くなるとされる(Balasubramaniam et al. 2012)。X軸に順位が高い個体から名前を並べ、Y軸にnDSをプロットするとき、その回帰直線の傾きの絶対値がsteepnessとなる。0から1の値を取り、1に近づくほどsteepnessが高いことを示す。
単回帰分析を行ってやれば、steepness(=傾き)は算出できる。 今回の例では、傾きは約0.7421となることがわかる。
## [1] 0.7420538
2.2 Rでの算出方法
EloRating
パッケージのsteepness
関数を用いることで、回帰分析をしなくてもsteepnessを算出することができる。Dij = TRUE
をすると\(D_{ij}\)を用いたnDSを、Dij = FALSE
をすると\(P_{ij}\)を用いたnDSを用いてsteepnessを算出する。
## steep expected p nrand
## 0.7420538 NA NA 0.0000000
個体の勝敗がランダムに決まるときに比べて、steepnessが有意に高いかを検定することもできる(De Vries et al. 2006)。検定をする場合、ランダム化を行う回数をnrand =
で指定する。今回の場合、\(p < 0.001\)となり、有意であることが分かった。
## steep expected p nrand
## 7.420538e-01 3.004903e-01 1.000000e-04 1.000000e+04
returnfig = TRUE
とすると、ランダムに勝敗が決まる場合のsteepnessの分布(extected
)と実際のsteepnessの値(expected
)をプロットできる。
## steep expected p nrand
## 7.420538e-01 3.013294e-01 1.000000e-04 1.000000e+04
References
Balasubramaniam KN, Dittmar K, Berman CM, et al (2012) Hierarchical steepness and phylogenetic models: Phylogenetic signals in macaca. Anim Behav 83:1207–1218
De Vries H, Stevens JMG, Vervaecke H (2006) Measuring and testing the steepness of dominance hierarchies. Anim Behav 71:585–592